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オフバランスを用いた企業再生

1.企業の現状分析

企業の現状を分析するのに1番簡単な資料は、年1回作成される決算書です。 決算書はB/SとP/Lで構成されています。B/Sは、貸借対照表でありその企業の保有資産、負債のバランンスがわかる資料であり、P/Lは損益計算書であり、その企業の1年間の活動成果が記された資料であります。この2つの資料から企業の現状分析をしていきますが、我々コンサルタントは先ずP/Lを拝見します。その企業の活動成果が「赤字」であれば、経営者は企業を継続するか、廃業するかの判断をしなければなりません。継続する場合は「赤字」を回避し「黒字」に転換する方法が実践できるかできないのであれば「廃業」するしかありません。「黒字」にするには、売上高の増大や経費の削減があり、企業にその努力できる体質があるか、あればその施策が何なのかを考え提案するの我々の仕事です。

2.不動産の価値

企業が保有する不動産の価値ですが、昔から立地、環境、用途地域、建ぺい率、容積率、建物の構造、築年数等で不動産の絶対価値を決めてきましたが、昨今ではその不動産が1年間に稼ぐ収益(賃料やその不動産上で営業活動しているのであれば、年間利益)を基にその10倍の額を不動産の価値を決める収益還元法という相対評価が主流となってきています。絶対価値から相対価値に代わっていることを認識すべきです。

3.所有不動産の分類

企業の所有する不動産は、次の3つに分類できます。

4.収益還元評価額付の不動産目録を作成する。

 不動産目録は、良く税理士事務所が作成しますが、大体取得価額が表示されているだけで役に立ちません。一番必要なのは収益還元法で評価した評価額が知りたいのです。

 不動産目録は①物件名②敷地面積及び建築面積③用途地域及び地目④不動産評価額又は取得価額⑤収益額⑥年間維持費⑦収益還元法による評価額(⑤‐6)を一覧表にまとめることをお勧めします。

 

 

 

 

5.オフバランスとは手持ちの不動産を売却し、負債の返済を行うB/S操作

オフバランスの意味は資産を売却して有利子負債の返済をします。B/S上で資産の部、負債の部両方の数値が減ります。バランスが双方減るので「オフバランス」と言います。収益が改善します。通常は収益還元評価額の低い不動産から処分しますが、事業用不動産を売却する場合、最後に行うことが多く企業は保有不動産がなくなることが多く、金融機関に提供する担保がなくなります。 残る債権は担保なしの債権いわゆる「ポンかす債権」となります。この時点で取引金融機関は債権圧縮策を講じ「ポンかす債権」をゼロにします。 債権圧縮策は、民事再生法の適用や私的整理などの様々な手法がありますが、全て債権額が圧縮されます。金融機関は一時的に損金が発生するかに見えますが実際には、金融機関の営業利益を減らす効果があり、債権放棄額の25%は納税しなくてよくなりますので国が損を肩代わりするだけです。

6.事業用不動産売却後、賃貸して事業を継続する

事業用不動産は売り払ってしまいますので、事業を存続するには、不動産を持ち主から賃貸して借りなければなりません。 この際の賃料は、最低でもキャッシュフロー上のプラス(払っていた利息+払っていた元本分割返済額)より少ない額は確保したいですが、P/L上では払っていた利息の額より下回る必要があります。

一旦買い取った不動産を賃貸するひとを探す必要がありますが、投資家及び投資ファンドを私がご紹介する場合、最初に用意する不動産取得価格に相当する投資価額に対し、家賃で回収できる額から年間の維持経費(固定資産税+維持経費)を引いた回収利益額の割合は、8%~20%の利回りを求められます。利回りについては立地、経営計画の安定性で算定されます。先ず経営計画で支払える支払える家賃を算出し、投資家・投資ファンドと協議し売却価額を算定し、債権者に債権放棄を迫るほうがより確実にオフバランスによる経営再建を実現する近道といえるのではないでしょうか。

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